今週のお題「ピザ」
マルゲリータ マルグリッド マルガリタ マーガレット どれもいっしょ。
おはようございます。SEGEです。
子供のころ、ピザと言えばぼくの年代では「ミックスピザ」ではないですか?サラミがのっているやつ。
今となってはいかにも昭和の商品という気がします。
インドカレ―とかもそうですが、最近は海外の料理が海外の味で食べられるのが普通になっています。
今ではピザといえばマルゲリータですよね。ちがう?
友達にナポリ人がいて、東中野駅近くにあった「GG」というナポリ人がやっているピザ屋さんに行ったことがあります。
今は吉祥寺かどこかに移転したと聞いた気がします。
やっぱりありました。
そこで聞いたのですがピザは切らないでお客さんに出すものだそうです。
それは「切ると味が落ちてしまう」というようなことをおっしゃってました。
だから食べる人は自分で切るのが普通だそうです。
マルゲリータってどんなピザ?
ところで、マルゲリータの名前の由来は知ってますか?おそらくマルゲリータという王妃の名前からとられていることを知っている人は多いと思います。
イタリアの王妃マルゲリータが気に入ったピザという由来です。
また、マルゲリータというピザは、バジルとモッツァレラチーズとトマトがのっています。
それはイタリアの国旗が緑と白と赤だからで、その国旗に合わせた食材をマルゲリータに提供したところお気に召されたということです。
ところで、イタリア料理に欠かせないそのトマトですが、実は原産地はヨーロッパではありません。ペルーです。
たしか「世界ふしぎ発見」で昔やっていたのを見て驚いた記憶があります。
大航海時代にスペイン人が南米から持ち帰った食材の一つがトマトです。なんと当初は毒がある悪魔の実として普及しませんでした。
ヨーロッパに普及してからまだ200年くらいしかたっていないそうです。以下のページに詳しく説明してくださっている方がいます。↓
そもそもマルゲリータってどういう意味?
イタリア語で「キク」の花のことのようです。そもそもは真珠を表す言葉だとか。
では女性の名前として使われている「マルガリータ」はどうでしょう。人との名前に使われる場合、これはキリスト教の聖人の名前です。
キリスト教圏ではキリスト教で聖人とされている人の名前を子供につけることが多いです。マイケル・ジャクソンだって「マイケル」は「ミカエル」という天使の名前の英語なまりです。
デイビッドは「ダビデ」という王様の名前。
マリーはイエスの母「マリア」。
ルークは、聖書の福音書を書いた「ルカ」。
ピーターは、イエスの弟子の「ペトロ」。
などなどあげだしたらきりがありません。
マルゲリータは各国の言葉に照らし合わせるとこうなります。
マルゲリータ:イタリア語
マルグリッド:フランス語
マーガレット:英語
さて、キリスト教では聖人の名前の前に「聖」をつけます。
聖ザビエル。聖アントニオ。聖マリア。聖マルガリータ。サンピエトロ大聖堂。サンタクロースも「セント・ニコラス」です。
サグラダファミリアは、「聖ファミリー」で、聖家族=イエス様の家族という意味です。
ほかに、地名によくみられる「サン」とか「セント」とかというのも、それと同じです。聖人の名前を地名にしているんです。
サンフランシスコ。サンモニカ。セントルイス。などなど。
ぼくがこうしたことに気づいたとき、とても驚きました。こんなに西欧人の世界ってキリスト教の影響が強いんだなと。
マルゲリータは伝説の殉教者
ではマルゲリータはどんな人だったのでしょうか。聖人としての名前では「マルガリタ(スペイン)」の方が日本では耳する人が多いかもしれません。
実は聖人とされる同名のマルガリタは何人もいます。なのでここではよく知られる「アンティオキアのマルガリタ」を紹介します。3~4世紀の人です。
マルガリタは妊婦・出産の守護聖人として崇敬されています。というのもドラゴンに飲み込まれたあと、十字架の力でドラゴンの胎内から脱出することができたという伝説があるからです。
「苦難の乗り越えて胎内から出られる」という奇跡が聖マルガリタへの信仰につながっています。
なぜドラゴンに飲まれてしまったのでしょうか。それはマルガリタは信仰の放棄と引き換えに地域のえらい人に結婚を申し込まれたのですが、断ったために捕らえられてしまったからです。
拷問を受けてしまい、あげくのはてにドラゴンに飲み込まれたというわけです。
キリスト教の中でもカトリックは、洗礼を受ける(信者になる)ときに聖人の名前をつけます。実はぼくはカトリックの教徒なのです。なのでぼくにも洗礼名があります。
先日娘が洗礼を受けることになり、「マルガリタ」を選びました。娘は730gほどの早産だったため、非常に出産で苦労したのです。
迷わず「マルガリタ」にしました。
ピザからだいぶ話がとびましたが、名前の由来をたどるとその向こう側にはいろいろな世界が開けているものですね。
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あとばなし
娘が教会で洗礼式をあげたときのこと。
洗礼を受けるときは「水」をかけられます。それは、イエスが聖ヨハネから洗礼を受けたとき、ヨルダン川の川に浸かったからです。
つまりイエスが神の祝福を授かり、神の子として歩み始めた瞬間です。
カトリックでは頭にちょろっと水をかけられるだけですが、宗派によっては本当に川や水槽にドボンと入る洗礼式をしているものもあるんです。
娘はものすごいじっとしていられない子なので、親としては式の前から、
「あーいやだなあ、洗礼式。どうせ立ち歩いたり、けったり、大きな声出したり、いやがったりするんだろうなあ。」
と思っていました。
案の定、いざ洗礼というときになって、
「いやだー!!」
と言って椅子をガンガン蹴りだしました
しかたないので参列せずに、座ったまま進行。
洗礼の儀式が終わると少し落ち着いたので、「なんで?」と聞くと、
「だってみずをかけられるから。(あんな少しなんだね)」
と。
娘の中では「ザバーッ!!」と津波なみにかけられるイメージだったようです。
そらこわいわな。
しかし、親としてはすごくいやな汗をかきました。
おしまい
written by SEGE